ゴールド先物ポジションとゴールドETF現物保持高

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トランプ大統領の追加関税をきっかけにまたゴールドが急騰しています。ここでゴールド先物のポジションを確認すると、最新のデータは、7月30日火曜のものでこういう具合です。


投機筋のショートは100K枚以下でここ数年のレンジでは最低レベルです。また投機筋ロングは400K枚に迫っており、2016年夏の過去最高レベルに迫っています。普通に考えると投機筋のポジションはあまりに強気に傾いており何かのきっかけで急速に売りに動き始めておかしくありません。

ただし、これとは逆の状況が昨年夏にあり、投機筋のショートはこれまでの最高である2015年冬の200K枚に迫っていたのですが、これを大幅に超えて260K枚付近をかなりな期間維持しました。私の勝手解釈では、長年の中央銀行の超緩和策のために投機資金・投資資金が潤沢にあり、これまでの限度を超えた状態でも結構な期間投機筋はポジションを維持しているのではないかと想像しています。

一方最近のゴールド上昇ではゴールドETFの現物保持高の効果も大きく、ゴールド価格上昇とともに増えています。

世の中のゴールドETFの中でGDXは68%の時価総額を持っているため、他のゴールドETFも勘案した全ゴールドETF現物保持高変化を、投機筋のネットポジションと比べてみます。

これを見ての通り、投機筋は7月9日から7月30日の間にネットで30トンのゴールドを買い増しています。一方ゴールドETF現物保持高はこの期間に44トン増えています。というわけでゴールドETF現物の増加が投機筋のネットポジション増加よりも大きくなっています。ただしまだ桁違いというほどではありません。先物投機筋は30xから40xの証拠金取引をしているのでなにかのきっかけがあれば急速に動きます。ただし、これから株式投資家のゴールドETF現物積み増しが急激に増えるなら、先物の影響は薄くなります。より多くの株式投資家が「債権や現金よりもゴールドの方が安全」と思うならゴールドETFの現物増加幅がさらに増えるでしょう。

ただし、繰り返しますが、先物投機筋のポジションはあまりに極端です、何かをきっかけに逆行しても全くおかしくありません。






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