最新投機筋ゴールド先物ポジション確認

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米国経済は堅調だが、予防的に10年ぶりに金利引き下げを初めます、と聞いて皆さんはどう行動するでしょう?

1.そうか金利引き下げで緩和的なのでもっと株は上がるぞ買い増そう
2.金利引き下げをするということは相場は天井で売り場を探したほうが良いな

両方の人がいるので相場が成り立ちます。




ところで、ゴールド先物の直近(7月2日閉場)時点でのポジションはこういう具合です。

見ての通り投機筋ショートポジションはこの3年の範囲で最低レベル87K枚です。このレベルからさらにショートカバーが起きるとは考え辛く、むしろ何か正当なきっかけがあればショートが増えておかしくありません。

一方投機筋ロングを見ると、374K枚であり、過去三年の範囲で見てもかなり高い方です、現在よりも投機筋ロングが多かったのは2016年夏と2017年夏だけです。こちらもなにか正当なきっかけがあればロングを解消してもおかしくありません。

ゴールドのブル相場の進展は、まずショートカバーに始まりそのトレンドをロング側が追いかけ、これが十分続くと圧倒的資金を持つ株式投資家がGLDを購入します。GLDのトレンドが支配的になると先物市場の影響は小さくなります。ただし株式投資家がGLDを買うのは株式市場の先行きに不安を持つときです。たとえば、2015年8月には人民元急落で米国市場にフラッシュ・クラッシュが起き、その記憶が消えない2016年1月初営業日に中国市場でサーキとブレーカー運用開始初日にサーキットブレーカーが発動しました。これで株式投資家は株式の先行きに不安になりGLDを買い増し、半年でゴールドは30%上昇しました。

ところが現在は株式市場はeuphoriaで満ちており、S&P500主要銘柄の収益予想に下方修正が続いても株式は買い進まれPERは上昇を続けています。少なくとも株式投資家は株式の先行きに楽観な人が大勢をしめています。CAPE指数は高いままでありなにかのきっかけがあれば株式が売り込まれるでしょうが、それは明確ではありません。

一方、先物投機筋のロングはかなりな量になっていますが、これが過去の規模を遥かにこえてさらに積み増される可能性もあります。それは2018年夏に記録的な量のショートが積み上がったのと同様です。このときショートは256K枚まで積み上がりました。それまでの過去最高2015年夏の200K枚を遥かに超えるものでした。投機筋がかつて無いほどに極端なポジションを取るのは、長年の緩和政策で市場には潤沢な投機資金があるからでしょう、たぶん。となると短期的なトレンドを追いかける先物投機筋がさらにロングを追いかけ過去最高のポジションを遥かに超えるまでトレンド追従する可能性も否定はできません。

要約すると、先物投機筋のポジションは過去の例から見ると買われ過ぎでなにか正当なきっかけがあるとトレンド転換になる可能性が高まっています。ただし市場には潤沢な投機資金が溢れており更なるトレンド追従の可能性もあります。一方株式投資家はeuphoriaに満ちており、すぐにGLDを買い増すとは思えません。ただし、こちらもなにか正当なきっかけで株価が急落するとGLDを買います可能性はあります。

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