中国のゴールド買いはいつまで続くか

 先日のJanの報告で、最近の中国のゴールド輸入量は驚くものでした。そもそも中国は世界最大のゴールド産出国(年間400トン程度)でありながら、ゴールド輸出を禁じています。また世界の金鉱山算出量は3000トン程度なので、中国以外の年間ゴールド産出量は2600トン程度です。かつてはゴールド価格が安くなると輸入し高いときには輸入を減らすという方針でした。ところがウクライナ戦争以降、ゴールド価格に関係なく輸入する、と政策が変わったようです。下のグラフで紫バーがそういう月を示しています。2024Q1の総輸入量は500トンにもなります。この傾向が続くとすると年間2000トンにもなります。4月に多少減りましたが、それでも125トン輸入しています。世界のゴールド産出量の大半を中国が輸入することになります。


私としてはこの傾向が本当に今後も続くのか?が気になります。先日の台湾封鎖訓練や欧米がロシア資産没収に前向きな報道を見ると、この方針がそう簡単に変わるとは思えません。米国の対中国制裁はまだ関税100%程度ですが、もし中国が軍事的挑発をしていると米国がみなせば、中国の資産没収ということにもなりかねません。


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