武漢肺炎との共存

韓国では患者急増でヒステリーになり、あの宗教団体20万人全員をPCR検査するという。しかしそんなことに意味があるのだろうか?

世界中でここまで伝染拡大すると武漢肺炎を撲滅するという考え方自身が無理筋だ。MERSは今も中東の風土病として残っているし、2009年の新型インフルエンザもあれだけ大騒ぎしたが一月ほどでPCR検査を止めて一般の季節性インフルエンザ扱いとなりいまはA型インフルエンザとしてワクチン接種の対象だ。人類と共存しているわけだ。

武漢肺炎に関しても、中国の症例を見ても若い人には季節性インフルエンザと変わらず、高齢者・基礎疾患のある人が重篤・死に至る。むしろ若い人に重症例が極端に少ない。クルーズ船の症例を見ても、あれだけ年齢分布が高齢に偏っているにも関わらずPCR陽性の半数300名は無症状入院でいまも経過観察中だ。

我々人類が選ぶ道は武漢肺炎との共存であり、若い人の集団免疫力で爆発的感染を防ぐというのがもっとも懸命な選択肢だ。そのためには若い人に徐々に感染してもらうか今後のワクチンに期待するということだ。

もっとも避けなければならないのは医療破綻と高齢者・基礎疾患保有の人への適切な措置ができなくなる状況だ。疫病は集団で対処するしか方法がない。個人の不安を解消するためにPCR検査を積極的に何度も受けるなんて言うのは馬鹿げている。むしろ検査時の感染リスクを増やすだけだ。医者が治療に必要と認めたときには速やかに実行できるというのが必要な医療リソースレベルだ。決して個人が安心のために無制限にPCR検査できるレベルではない。

70代80代で基礎疾患があれば肺炎で亡くなることは多い。日本人の直接死因3位は肺炎なのだ。人には寿命がある。でもこんなことワイドショー司会者も国会議員も決して口にしない。これをいうと電話攻撃の嵐になるからだ。でも北海道の20代の女性は酸素吸入を必要になるほど重篤化しても回復した。適切な医療措置を受けることができたからだ。医療破綻が起きていない賜物だ。

多くの人が武漢で起きた医療破綻映像を見ただろう。待合室が満員電車のように混み合い、病院の外にまで風邪症状の人が列をなしている。こういう状況にならないように国民全体で対処すべきなのだ。

全体主義・権威主義でなくとも高い民意で伝染病に対処できることを世界に示せればこんなに素晴らしいことはない。

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