歴史は繰り返すわけではないが韻を踏む
History Does Not Repeat Itself, But It Rhymes
米国経済統計局が、コロナ騒動以前に米国は景気後退入りしていたことを認定しました。そこで前回の景気後退期以降のゴールドをめぐる市場心理を振り返ってみましょう。
2007年末から株価は下落し始めましたが、それにつれてゴールドも売られました。平常時なら株価とゴールドは逆に動くことが多いのですが、株価が大きく下落するとなるとポートフォリオ全体での下落を阻止しようとゴールドまで売られます。しかしその後は投資家が規律有る分散を思い出しゴールドETFを積み増します。株式が下落すると不安になりさらにゴールドETFを積み増します。こうして投資家のゴールドETF需要増加に伴い2013年まではゴールドは力強い上昇を遂げました。その後FEDがQE3を開始し投資家のゴールドへの興味は減退しました。QE3はQE1,2と異なり規模も期間も決めない米国史上初めてのOpen End型のQEだったのです。投資家はFEDが株式市場に太鼓判を押したと信じ急速にゴールドETFポジションを減らしました。
今回もFEDは無制限無期限の量的緩和を実行すると3月に宣言しました。その後実際に急速にFED資産が膨らみましたが、その勢いは弱まっています。結局こういうカンフル剤は二度目になると最初のQE3ほどの効果がないのです。今後ですが、投資家の頭から株式下落の記憶が薄まればゴールド投資への興味が失せるでしょう。逆に言うと株式下落の記憶が残る限りゴールドへの規律有る分散が続くでしょう。
今後どうなると思います?