ゴールド先物ポジション確認

ここ1週間ほどゴールドはかなり下落しました。ではここからすぐに再度上昇を始め7月のような上昇相場が復活するでしょうか?どう思います?
2015年末からの現在のブル相場のこれまでの3回の調整の平均下落率は15%程度、山から谷間での平均期間は4か月程度です。特に大きな上昇だった最初の2016年夏のピーク後の調整は5か月をかけて17%の下落でした。今年8月初めのピークから先週金曜末までの下落率は12%、期間はまだ2ヶ月に達していません。ゴールド価格はまだ200DMAを8%上回っています。今回はどうでしょう?


そこで先物市場でのポジションを確認します。同時にGLD+IAUの現物ゴールド量を先物1枚100オンス換算して重ねて示しています。


8月初めのピーク以降、GLD+IAUの現物ゴールド量は鈍化しているとはいえ緩やかな増加を続けています。株式投資家のゴールドに対する強欲とeuphoriaはまだ消え去っていません。投機筋のLONGポジションは7月末から8月末にかけて400K枚程度でしたが、9月15日(火)では再度400Kに迫り、それが先週9月22日(火)に少し減っています。8月初めのピーク以降の値動きを主導しているのは先物投機筋と考えて良いでしょう。8月末から9月22日におけるロング約400K枚ですが、2月からみるとかなり減っているように見えます。たしかに枚数で見ると少ないのですが、3月にはCMEが何度も証拠金を引き上げ現在では年初に比べて倍になっています。ということは投じる資金が同じならポジションは半分にせざるを得ません。いまでも投機筋が400K枚近くのポジションを維持しているということは投下資金的には過去最高レベルで目一杯ポジションを取っているように見えます。直近の可能性としては今後投機筋ロングが増えるよりは減る可能性の方が大きいでしょう。先物市場は証拠金売買であり、x20程度のレバレッジがかかっています。そのため相場が想定方向から逆に5%動くと資金をなくしてしまいます。彼らは超短期視野なのです。ポジションを維持するのは数時間から数日程度のようです。またゴールド先物トレーダーは同時に他の先物にもポジションをもっておりドルの値動きに敏感です。ゴールドを一種の通貨のように見ていると思われます。DXYは9月1日に2年ぶりの安値となりそこから反転上昇しています。特に先週はDXYの上昇が顕著でした。これもゴールド先物投機筋がゴールドを売りやすくしています。またゴールドは中国国慶節前後にアノマリーがあります。毎年このブログでも紹介してきましたので読み返してみてください。ただし、こういうアノマリーは多くの人が認識するとだんだんと先回りする人が増えてぼやけてきます。この時期はインドの婚礼シーズンの終わりとも重なっており相乗効果があるようです。香港市場が閉まると言う意味では春節も同じなのですが、国慶節は西暦で定められています、一方春節は旧暦のために多くの西洋人トレーダーにとって把握が難しいのではないかと想像しています。

現在のレベルからすぐに7月の状況が復活しブル相場再開と見るのは楽観すぎるような気がします。まだ何度か higher low, lower highを繰り返し、株式投資家の強欲とeuphoriaが消え去らないと次の本格的上昇にならないような気がします。ただ相場なのでロケット工学のような精密さで予想することはできません。This time is different. があるかもしれません。

2000年から10年続いた長いブル相場においても買われ過ぎになった後は数か月をかけて調整し200DMAにかなり近づいてから次の上昇が始まっています。場合によっては200DMAを超えることもあります。

私はこういうふうに見ています。みなさんはどう考えていますか?

見方の違う人がいるからこそ相場が成り立ちますからね。全員の見方が同じなら暴騰急落を繰り返すことになります。株式市場では全員が大金持ちになることはありません。市場の肥やしになるか、果実をもぎ取る方になるかどちらかです。それがいやなら市場に関わらないことです。




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